虚空蔵菩薩は、知恵と記憶力の仏様として知られ、真言宗では特に重要視されています。
真言は、仏菩薩の智慧や慈悲を音符に乗せたもので、唱えることでその力を得られると考えられています。
虚空蔵菩薩の真言
虚空蔵菩薩の真言には、代表的なものが2種類あります。
オン バザラ アラタンノウ オンタラク ソワカ
1つ目の真言は、サンスクリット語で書かれており、「金剛宝」と「救い」という意味を持つ言葉が含まれています。
これは、虚空蔵菩薩が持つ智慧の宝庫と、人々を救済する慈悲の力を表しています。
ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャ マリボリソワカ
2つ目の真言は、漢訳されたもので、「虚空蔵菩薩に帰依します。」という意味です。
虚空蔵菩薩への信仰と、真言の力によって救済を願う気持ちを込めて唱えられます。
虚空蔵菩薩の真言で得られるとされる効果
虚空蔵菩薩の真言を唱えることで得られるとされる功徳は、以下の通りです。
- 記憶力向上
- 知恵増進
- 学業成就
- 試験合格
- 商売繁盛
- 技芸向上
- 厄除け
- 開運
また、丑年・寅年生まれの守り本尊としても知られており、これらの年の生まれの人は、特に虚空蔵菩薩の真言を唱えることでご利益を得られると言われています。
虚空蔵菩薩の真言を唱えるときのポイント
真言を唱える方法としては、以下のようなものがあります。
- 静かな場所で心を落ち着かせて唱える
- 数珠を持って唱える
- 真言を唱えた後に、祈願する
毎日決まった時間に唱えるなど、継続して行うことが大切です。
空海と虚空蔵求聞持法
空海は、真言宗の開祖として知られる平安時代の僧侶です。
彼は真の智慧を求めて厳しい修行を重ねました。
その中でも特に有名なのが、虚空蔵求聞持法です。
虚空蔵求聞持法は、虚空蔵菩薩の真言を100万回唱えるという、非常に厳しい修行です。
1日10時間以上唱え続け、100日間かけて行うとされています。
修行中は、山奥の洞窟に籠り、粗食しか食べることが許されません。
眠くなったら木に寄りかかり、寒くなったら岩を抱いて暖を取るなど、過酷な環境の中で修行を行いました。
空海は、この修行を通して驚異的な知恵と記憶力を手に入れたと言われています。
また、修行中に虚空蔵菩薩から直接教えを受け、真言宗の教えを悟ったとも伝えられています。
虚空蔵求聞持法は、現代でも多くの密教行者によって行われています。
真言宗の寺院では、求聞持と呼ばれる短期集中型の修行も行われており、一般の人でも参加することができるそうです。
虚空蔵求聞持法は、強い意志と忍耐力が必要とされる厳しい修行ですが、その功徳は非常に大きいと言われています。
もし、真の智慧を求め、自分自身を極限まで追い詰めたいと思うなら、虚空蔵求聞持法に挑戦してみるのも良いかもしれません。
ただし、始める前に十分な準備と覚悟が必要であることは言うまでもありません。
まとめ
虚空蔵菩薩の真言は、智慧と記憶力を高め、無限の宝を授ける力があるとされています。
もっと知恵がほしい人、記憶力を向上させたい人は、習慣的に唱えてみるのもいいかもしれませんね。