「他人は自分を映す鏡」なんて言われることがあります。他人のことを「嫌だな」と感じるとき、きっと自分も他人にそう思われている。自分が他人をどう思うかを見ていくことで、ひるがえって自分が自分自身のことをどう思っているのかが見えてくる。
今回は私の友人の話を交えながら、潜在意識の観点から見た人との関わり方について考えてみたいと思います。
先日、学生時代の友人(以下、T)から久しぶりに連絡がありました。
特に用事があったわけではなく、ふと思い立って連絡をくれたのということでしたが、現在彼は仕事がなく苦しい状況のようでした。
実はTはこれまで職を転々としており、収入も安定せず、別の友人が紹介してくれた仕事も3か月足らずで辞めてしまったそうです。また、30代半ばの現在まで彼女がいたことがありませんし、実家暮らしで同居の両親やお兄さんとの関係もうまくいっていないようです。
そんなTの学生時代を思い返すと、一つ気になることがありました。
級友を茶化したりバカにしたり…
Tは普段とても温厚で人当たりもよく、おとなしい性格です。かといって人見知りするわけでもないので、広く浅くといった感じの交友関係を築いていたように思います。
普通に取り留めのない話をしている分にはとても楽しい友人なのですが、別の友人が悩みを打ち明けたりすると途端に茶化したり、誰かが何かに夢中になって打ち込んだりしているとバカにしたりするところがありました。
今でもよく覚えているのは、バンドをやっているクラスメイトが、バンドのメンバー(同級生)に聴かせようと自分が作った曲の入ったCDと歌詞を書いた紙を学校に持ってきたときのことです。
それを目ざとく見つけたTは、嫌がるクラスメイトから歌詞の書かれた紙を奪い取ると、それを読み上げながら茶化し始めたのです。周りのクラスメイトが引いているのにも気づいていないようでした。見るに見かねて、私と友人たちとでTから紙を奪い返し本人のもとに返しました。
「他人が一所懸命に作ったものを茶化すべきではない」「そもそも関係のないお前が、なんで本人の許可なく見ようと思ったんだ」と言っても、Tは何がいけないのか分かっていないようでした。
他にもTは、学校行事で係になって頑張っている友人をバカにしたり、他人が好きなものをけなしたりというところがありました。
夢中になることは恥ずかしい?
これらのことから考えるに、おそらくTは「何かに夢中になって打ち込むことは恥ずかしいことだ」と思っているのでしょう。自分が恥ずかしいと思っていることをできるわけはありませんから、当然Tはこれまで何かに打ち込むということをしてこなかったのでしょう。
でも潜在意識の観点から考えると、この世界で幸せになるためには、自分の好きなこと、ワクワクできることに夢中になって取り組むことはとても大切です。
ワクワクの先には、自分が本当に求めていることがあります。そしてそれに近づくためには、そのワクワクの方向に進んでいかなくてはなりません。夢中になって打ち込むというのは、まさにその方向への前進なわけですよね。
それを恥ずかしいことと思っているTは、自分のワクワクを追い求めることを避けてきました。その結果が、今現在、彼を取り巻いている現実なわけです。
他人を応援できないのは、自分を応援できないのと同じこと
他人を応援できないのは、自分を応援できないのと同じことです。潜在意識は、他人に向けた思考も自分に向けた思考も区別しないからです。他人をバカにするのは、自分をバカにするのと同じこと。他人を辱めるのは、自分を辱めるのと同じことなのです。
また、他人を自分のことのように応援できると、その心地よい波動に引き寄せられて人が集まってきます。そして、その人たちが自分のことを応援してくれるようになるのです。そういう意味でも、他人を応援することで自分の幸せを引き寄せる力がアップするとも言えます。
あなたの周りに何かに夢中になって打ち込んでいる人がいたら、ぜひ応援してあげてください。そうすることで、もちろんその人も力が沸くでしょうし、なによりあなた自身がポジティブな流れに乗ることができます。
あなたの思考、発した言葉はすべて潜在意識に沈んでいきます。そしてそれらは周囲の人からの応援となって返ってきたり、あなたの求めているものを現実として形にしてくれるかもしれませんよ。