瞑想中は「何も考えてはいけない」「無になることが大切」というような話を聞いたことがあるかもしれません。
でも実際にやってみると分かりますが、何も考えずに目をつむってただ座るって、言うほど簡単ではなりません。
これを読んでいる人の中にも、瞑想中にアレコレ考えてしまい、うまくできない… と感じている人もいるかもしれません。
ということで今回は、なぜ瞑想中にいろいろ考えてしまうのか、瞑想中にいろんな考えが浮かんできたときにどうすればいいのかについてお話していきたいと思います。
瞑想中にいろいろ考えてしまうのは無理のないこと
「瞑想中は何も考えてはいけない」とよく言われるので、あなたも「瞑想中は何も考えない」、いわゆる「無の状態」にならなければいけないと勘違いしているかもしれません。
たしかに瞑想の最終的なゴールはそこなのかもしれませんが、それができなければ瞑想をしても意味がないということではありません。
そもそも瞑想中にアレコレを考えが浮かんでくるのは自然なことで、エイブラハムも瞑想の手順として、以下のように紹介しています。
- 静かな場所にリラックスして座る
- 呼吸に意識を向ける
- その状態で一定の時間、呼吸を繰り返す
- 思考が漂い出す
- 思考が漂っていることに気づいたら、再び呼吸に意識を戻す
ここでは「呼吸に意識を……」と書きましたが、意識を向けても感情が揺さぶられないことなら何でもいいです。
人によっては時計の針の音とか、水滴が落ちることなどの方がやりやすいかもしれません。
ちなみに「感情が揺さぶられること」というのはどういうのかというと、分かりやすいところで言えば恋愛とかお金です。
好きな人が振り向いてくれないとか、月末の支払いのことなど考えていれば、不安や焦りといった感情がわいてきますよね。
これが、感情が揺さぶられている状態です。
でも呼吸とか時計の音とかで、そんな風に感情が揺れる人はいません。
つまり意識を向けても何も感じないこと(≒どうでもいいこと)に集中することで、感情をフラットにしやすいメリットがあるというわけです。
言い換えれば、どうでもいいことに意識を向けておかなければ、人間の思考というものはどことなく漂ってしまうということ。
意識や思考の仕組みとして、自然なことだいうわけですね。
瞑想中にいろいろな考えが浮かんでくる理由
よくないのは、何か考えていることに気づいたときに、「考えちゃダメだ」と抑えつけようとしてしまうことです。
抑えつけようとする=思考を集中するということなので、余計にその考えが強くなってしまいますし、「ダメだ」を繰り返すことで自分へのネガティブな観念を強めてしまうことにつながります。
ちなみに瞑想中になぜアレコレと考えが浮かんでくるかというと、思考がゆるやかになると潜在意識が信念(思考の癖)の元となる記憶や、それに紐づいた感情を整理しているためだと言われています(諸説あります)。
このことからも、瞑想中に思考がいろいろなところに漂うのは人間の自然なメカニズムだと言えるわけですね。
「ダメだ」ではなく、ただ呼吸に意識を戻す
大切なのは、浮かんできた自分の思考から距離を置き、観察できるようになること。
そうすることで自分の中にあるネガティブな信念に気づくこともありますし、何かに思考を囚われていることに気づく→呼吸に意識を戻す、というのを繰り返すことで不安や焦りなどのネガティブな感情に振り回されることが少なくなります。
瞑想で自分の思考を客観的に見ることができるようになると、日常生活でも感情のコントロールができるようになったり、直感が鋭くなったりとさまざまな変化がやってくるはずです。
「瞑想中に何か考えてはダメ」と思わずに、考えていることに気づいたら、ただ呼吸に意識を戻すようにする。
それでだけで大丈夫なので、あまり難しく考えずに取り組んでみてください。