以前人気になった書籍『嫌われる勇気』を読んだことがきっかけで、ここしばらくはアドラー心理学についていろいろ調べていました。
その中で、アドラー心理学と引き寄せの法則に、いつくか共通する考え方を見つけたので、今回はそれについてお伝えしていきたいと思います。
「嫌われる」のはあなたの問題ではない
アドラー心理学では、「自分と他者の課題の切り分け」を重要視しています。
多くの人は、自分ではどうにもできないこと(=他人の課題)を自分が解決できるものとして考えていることで悩みを作り出している、というのがアドラー心理学の考え方です。
書籍『嫌われる勇気』は、そのタイトルがこのアドラー心理学の特徴を非常に端的に表現していると思います。
つまり、他人があなたを嫌うかどうかはその他人の課題で、自分の課題ではない、というわけです。
引き寄せの法則的に言えば、「あの人に好かれたい」「あの人を振り向かせたい」といった”思考の強制”というのが、この課題の切り分けという観点から考えるとクリアになってきます。
あなたを好きになるのは相手の自由、つまり相手の「課題」なわけなので、あなた自身がどうにかすることはできないわけです。
仮に好かれるためにいろいろな行動を起こしてみたところで、それであなたのことを好きになるかは結局のところ相手次第です。
そのため、相手の課題は切り捨て、自分の課題にフォーカスすることがアドラー心理学でいう悩みの解消、引き寄せの法則でいう願望の引き寄せにとって重要となるというわけです。
「今」を生きる
それでは、自分の課題にフォーカスするとはどういうことか? といえば、それは「今」を生きることです。
『嫌われる勇気』をはじめ、アドラー心理学をテーマにした書籍では「今、ここ」に集中することの重要性が繰り返し説かれています。
引き寄せの法則を説明するときによく出てくる例えで、夜間のドライブというのがあります。
車のヘッドライトに照らされる範囲は、よくてもせいぜい数十メートルです。
その先は真っ暗ですが、だからと言って私たちが行き先を見失うことはありませんよね。
目的地が分かっていれば、たとえ視界が悪くてもヘッドライトが照らす範囲を注意深く走り続ければ、やがてたどり着けます。
それと一緒で、私たちの人生も「今」しか見えません。
つまり、過去や未来はどうやっても見えないわけです。明日でさえ何が起こるかなんてわからないわけです。
だからこそ見えている範囲、つまり「今」に集中するわけです。
引き寄せの法則では、「今、幸せを感じる」ことが願いを叶えるコツという話がよく出てきます。
今、どのような気持ちでいるか、どのような感情を味わっているかで引き寄せられる未来が変わってくるというわけです。
過去に支配されない生き方
「今を生きる」というのは、同時に「過去に支配されない生き方」を選択することでもあります。
「過去にこういう経験をしたから、自分は○○なのだ」と考えることで、私たちは自分の可能性を閉ざしてしまいます。
つまり、自分の願望を否定したり、自分の願望に気付かないふりをして生きていってしまうのです。
また、引き寄せの法則がうまくいかない人に多い「どうしても現実が気になってしまう」というのも、過去に支配された考えが原因と言えます。
過去の思考の結果が、今目の前にある現実です。
つまり、現実が望まないものであるからと言って、それに執着してしまうことは過去に囚われている生き方なわけです。
上で「『今』にフォーカスする」と言いましたが、これは現実に執着するという意味ではありません。むしろ大きく違います。
今の現実がどうであろうと、それに絶望するのではなく、今できる最善を尽くす。
それこそが、アドラー心理学や引き寄せの法則で言うところの「今を生きる」です。
人は常に「変わらない」という決心をしている
またアドラー心理学を通して考えてみると、「どうしても現実が気になってしまう」理由も見えてきます。
それは、多くの人が「変わらない」決心をしているからです。
この「変わらない決心」については、このブログでも紹介しているホメオスタシス(恒常性維持機能)やコンフォートゾーンが関係しています。
「このままの自分」でいれば、目の前の課題についてどのように対処すればいいのか見当がつきます。
そうすれば、できるだけ少ない労力で問題を解決できるわけなので、人間は本能として現状を維持しようとするのです。
しかし、現状の自分から変わらなければ、問題への対処の仕方も変わりません。
そうなれば、いつも似たような結果が出るだけです。
もし現状の自分が置かれた状況に不満がある場合、これまでと同じような対処の仕方では現実が変わると期待する方が無理がありますよね。
でも多くの人は、夢や願望を持つ一方で「その方が楽だから」という理由で「変わらない決心」をしているわけです。
「どうしても現実が気になる」というのは、「夢や願望を叶えるより、楽な現状を維持したい」と言っているのと同じということになってしまいます。
実はこれ、『嫌われる勇気』などのアドラー心理学について書籍に限らず、引き寄せの法則をテーマにした書籍やブログなどでもいろいろな切り口から語られています。
ということは、引き寄せの法則を活用する上で非常に大切なことでもあるわけです。
まとめ
以上、アドラー心理学と引き寄せの法則の共通点についてお伝えしました。
正直この2つについては、考え方に驚くほど共通点が見られます。
まだもう少し理解を深めた方がよさそうですが、現時点ではアドラー心理学とは引き寄せの法則の本質をまた違う視点から言いかえたものではないか? とも思っています。
今後も気づきがあり次第、共有できればと思います。
それでは。