引き寄せの法則を実践している人なら、「執着を手放すと引き寄せが起こる(願いが叶う)」という話を聞いたことがあるかもしれません。
でも、本気で叶えたい願いであればどうしても執着してしまうし、それを手放すということは願いさえ捨ててしまうことになるのでは…? と混乱してしまいますよね。
今回は、引き寄せの法則で「執着を手放した方がいい」と言われる理由と、そこにまつわる誤解についてお伝えしたいと思います。
なぜ、執着を手放すと引き寄せが起こると言われるのか?
なぜ、「引き寄せるためには執着を手放した方がいい」と言われるようになったのでしょうか?
そこには、多くの人が抱いている「執着」という言葉に対するイメージが関係しています。
そもそも、「執着」という言葉には、こんな意味があります。
一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと。
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お金や好きな人、何でもいいですが、
手に入れたいものに心を囚われて、寝ても覚めても考えることをやめられない
そういう状態が「執着している」と言えそうです。
一般的に、執着している状態だと、人は「それが今、手元にない」という不足・欠乏を強く感じ、焦りや不安・怒り、心配など様々なネガティブな感情に支配されます。
そうすると、「足りていない」という思考がどんどん強くなります。
引き寄せの法則は「思考が現実化する」法則ですので、「足りていない」という思考が引き寄せるのは、もちろん「足りていない現実」ですよね。
その結果、願いが叶うのを遠ざけてしまうばかりか、さらに「足りていない現実」を引き寄せ、焦りや不安などのネガティブな感情を増幅してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
引き寄せを妨害しているものの正体は焦り・不安・怒りなどのネガティブな感情
でも、先入観なしに「執着」という言葉の意味を振り返ってみると、少々意外なことに気が付きます。
繰り返しますが、「執着」とは
一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと
です。
ということは、「執着」という言葉自体には焦りや不安などのネガティブな意味合いはないわけですよね。
しかし、人間の自然な感情として、執着すると「足りない」という感情・思考が強くなるために、いつしか多くの人が「執着=ネガティブなこと」というイメージを持つようになってしまったわけです。
何が言いたいかというと、執着したときに引き寄せを起こりにくくしているモノの正体は、執着そのものではなく、私たちの先入観によって執着とセットになっている「足りない」という観念や、それに伴う焦りや不安などのネガティブな感情なのです。
つまり、引き寄せを起こすためには執着を手放すことが必要なわけではなく、「足りない」という観念やネガティブな感情に囚われないことが大切だというわけですね。
そしてそれには、「執着」というものへの誤解を解くことが、もっとも効果的です。
そもそも、心からの願いであれば、四六時中考えてしまうのは自然なことです。
それなのに「執着するな」と言われても難しいですし、それが原因で「引き寄せって難しいな・訳分かんないな」となってしまう人もいるかと思います。
まず整理しておきたいのは、執着は手放してもいいし、手放さなくてもいいということです。
むしろ、「執着」というものへの理解さえ間違っていなければ、執着は願望の引き寄せにおいて強力なエンジンになりえるのです。
「手放す」とは、願望を捨てる・無関心になることではない
「手放す」という言葉についても、整理しておく必要があります。
「手放す」というと、一般的に「捨てる」とか「無関心になる(どうでもよくなる)」というような意味合いに取ってしまう人が多いように思います。
つまり何と言うか、自分の願いを否定したり拒絶しようと頑張ってしまうわけですね。
でもそれって、普通に考えて無理がありますよね?
自分が心から欲しいと思っているものを、一生懸命否定することでそれが手に入るって意味が分からなくないですか?
「手放す」とは「確信する」ということ
じゃあ「手放す」ってどういうことなのか?
答えを言えば、
手放す=確信する
ということです。
「確信する」というと難しく感じてしまうかもしれませんが、シンプルに言えば
叶っても叶わなくても「どちらでもいい」
という状態です。
「どうでもいい」ではなく「どちらでもいい」。
この違いが、とても重要なんですね。
とはいえ、「願いが叶っても叶わなくてもどちらでもいいなんて思えない!」という人もいるかもしれませんね。
でもこれって、引き寄せの法則の本質的なところを考えると、至って当然のことなんです。
あなたは、今手元に十分あるものについて「欲しい、足りない、足りない…」なんてウンウン考えるでしょうか?
そんなことしませんよね。
実は、「今手元に十分ある」という感覚が、「確信している」という状態なんです。
そして、「確信している」から、叶っても叶わなくても「どちらでもいい」わけです。
だって、すでに手元に十分あるわけですから。
引き寄せの法則では「感情を先取りする」なんて言われることもありますが、この「確信する」というのも、それと同じことを別の表現で言っているだけです。
で、「確信する=どちらでもいい」というと、「じゃあ執着したらダメじゃないか!」となる人もいるかもしれませんが、そういう人はもう一度「執着」という言葉の意味を振り返ってみてください。
「執着」とは、一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと。
それ自体は「足りない」という意味は含んでいませんし、ネガティブなものでもなんでもありません。
好きなものについてついつい時間を忘れてワクワクと考えてしまう、これだって「執着」なわけです。
つまり、引き寄せたいものごとについてワクワク考えられるのなら、それを無理に押さえつける必要はないのです。
ところが「執着」の意味を誤解してしまうと、そういうワクワクというような引き寄せに効果的とされる感情でさえ、無理やり抑え込もうとしてしまうことになります。
執着は手放してもいいし、手放さなくてもいいのです。