私の周りの人たちやネットでの恋愛相談などを見ていると、「彼氏・彼女に会いたいと思わない」という人が少なからずいるようです。私の主観的な感覚ではありますが、どちらかと言うと女性に多く、中には数か月に1回とか半年や1年に1回会えればいいという人もいるようです。
こういった感覚をお持ちの人は少ないので、「変わった恋愛観を持っている人」と受け止められてしまうこともあるかと思います。しかし、なぜ「彼氏・彼女に会いたい」と思わないのか、潜在意識をひも解いていくと分かってくることがあります。
人間は「心地よいもの」に引き寄せられる
人間は潜在意識下では、つねに心地よいものに引き寄せられ、心地悪いものから離れようとします。
私たちが生きている社会には、「やらなくてはいけないこと」というものが存在します。しかしそれらは、正確には顕在意識がやらなくてはいけないと判断しているだけで、本当はやる必要がないものなのです。
仕事やバイトなどは、お金のためであったり会社や上司・同僚に迷惑を掛けないためであったり理由は人それぞれですが、やらなくてはいけないものであるため嫌々でもやるのです。
ではもしも、働いたところでお金をもらえないとか、無条件で100億円くれるとか、上司・同僚に何の迷惑も掛からないとしたら、あなたは働くでしょうか?特に仕事に思い入れがないのなら、まずほとんどが働かないでしょう。なぜなら、仕事は「心地のよくない」ものだからです。
「彼氏・彼女に会いたくない」というのも、まったく同じ理由です。ただ単純に、会うことが心地よくないのです。会話しても面白くないとか、一緒にどこかに出掛けてもワクワクしないだとか、具体的に理由を見ていくとたくさんあるように見えますが、根本的には「心地よくない」のです。
「会いたくない」と言っている人がよく「別に恋人のことが好きじゃないわけではない」と言っているのを聞きますが、「好きじゃないわけではない」と言えてしまう時点で、実際そんなに魅力を感じているわけではないのです。
旅行から帰ってきて「やっぱり家が一番だ」と言う人がいる一方で、何日も家に帰らずに友人の家を渡り歩く少年少女がいるのは、それぞれにとって家が心地のよいものかそうでないかの違いがあるからです。
恋人関係の築き方には両親との記憶が影響している?
なお、「彼氏・彼女に会いたくない」理由は、会うことが心地よくないからだと言いましたが、それは彼氏・彼女個人に魅力を感じていない場合もありますが、それ以前に異性と関係を持つこと自体を無意識に遠ざけていることもあり得ます。
たとえば、幼いころから両親の冷めきった関係を見て育ったとか、父親か母親のどちらかがもう一方をないがしろにしている家庭で育ったりするとか、またはどちらかが干渉しすぎてもう一方が鬱陶(うっとう)しがっているのを見て育ったなどの場合、「異性と深い関係になること=心地悪いもの」という信念を作り上げてしまうことになります。
そういう家庭で育った人は、恋人との関係をドライな状態で維持しようとします。なので、過去に付き合った人とも「会わない関係」でいようとして関係を壊してしまったということがあるかもしれません。
両親との記憶をクリーニングする
恋人に興味がないのか、そもそも異性と交際することに対して心地よくないと感じているのか分かりませんが、いずれにせよ過去の記憶を振り返ってみることが効果的です。
なぜなら、交際が心地よくないのはもちろん、たいして興味がない異性を恋人にしてしまうこと自体にも、過去の記憶(特に幼少期の両親との記憶)が関係している恐れがあるからです。
記憶を振り返ってみて、思い当たるもの(たとえば、父親が母親にそっけないとか、逆に干渉や束縛が過ぎるとか)が見つかったら、そのときあなたがどんな感情を抱いていたかに注目してみてください。
いくら尽くしても報われない母親を見てみじめな気持ちになったり同情したり、束縛しようと目くじらを立てて怒っている父を見て嫌悪感を覚えていたかもしれません。
そのときの感情を、今もう一度しっかり受け止めてください。くれぐれも「親に対してそんな風に思ってはいけない」などとそのときの感情を否定したりフタをしたりしてはいけません。その感情を無視していることこそがブロックになっている可能性があります。
そして、感情をしっかり受け止めたら、最後にその記憶に「愛してるよ」と言ってあげてください。記憶のクリーニングというとピンとこないかもしれませんが、記憶のクリーニングとは言い換えると「その記憶の存在を受け入れ、愛してあげること」です。
強い感情を伴った記憶であるにも関わらず、それを無視してしまうと、無意識下でそれが信念を作り上げてしまいます。こうして、記憶をひとつずつ認めてあげることで、その記憶が「気づいてほしい」とあなたの現実に干渉してくることがなくなります。
イメージングで恋人との理想の関係を引き寄せる
あなた自身が恋人に会いたくない場合は上記の記憶のクリーニングをすればいいわけですが、問題はあなたの恋人があなたに会いたがらない場合です。そういうときは、恋人とどんな関係になりたいのかを具体的・鮮明に頭の中で映像化するイメージングの方法が効果的です。
実はこういう場合も、過去の記憶によりあなた自身がそういう相手を引き寄せてしまっている怖れもあります。「恋愛は尽くすもの」「恋愛は報われないもの」などと無意識に考えてしまっているかもしれません。ですので、心当たりがある人は、ここでご紹介するイメージングと並行して上記の記憶のクリーニングもやって頂ければと思います。
まず、軽く目を閉じてあなたと恋人が一緒に過ごしている場面を想像します。どんなシーンでもかまいません。どちらかの部屋で一緒に過ごしている場面でも、どこかにデートに出掛けているところでも、あなたが恋人としたいと思っていたことを思う存分イメージの中でしてください。
あなたが具体的・鮮明にイメージすればするほど、それがあなたの願望だということを潜在意識へダイレクトに伝えることができます。潜在意識はあなたの願望をイメージとして受け取ると、それがどんなに現実とかけ離れていようと、実現するために動き出します。
それが現実とかけ離れているかどうかは、潜在意識にとっては問題ではありません。潜在意識の力は私たちの顕在意識の100万倍とも言われており、私たちのおよそ見当もつかない方法でそれを実現することができます。
ただ、イメージするときに注意して頂きたいことが2点あります。
1つは、現実の恋人の態度や振る舞いがどうであろうと、それをイメージの中に持ち込まないということです。現実ではあなたに対して恋人がそっけないからと言って、イメージの中でも恋人のそういった態度を再現するのはオススメではありません。そのイメージ通りに、そっけない恋人のまま潜在意識は現実にしてしまいます。
2つ目は、恋人と幸せに過ごしている場面へたどり着くまでの過程をイメージしないということです。現在のそっけない恋人から、どのようにしてあなたにぞっこんの状態になるのかをアレコレ考える必要はありません。
先ほども言ったように、潜在意識の力は私たちの100万倍です。あなたが最終的な結果をイメージしてさえいれば、潜在意識は私たちの想像もできないような展開でそこまで導いてくれます。
それなのにその過程をあなたがアレコレ指定してしまうと、潜在意識が取れる選択肢が狭まり、結果として実現が遅くなってしまう恐れがあります。
この2点に注意しながら、あなたの望む最高の関係をイメージしてください。
以上が、恋人に会いたいと思わない原因と対処法です。いくら現状がどうであろうと、潜在意識の助けを借りればいくらでも望んだ現実を引き寄せられます。まずは少しずつ、最高の恋人関係を鮮明に具体的に作り上げることから始めましょう。