ときに、運が良くなる前触れとして不幸なことが起こるときがあります。
引き寄せの法則に興味のある人であればご存知かもしれませんが、これは「好転反応」と呼ばれるもののひとつで、もともとは東洋医学の考え方です。
好転反応とは、治療の過程で身体が回復するときに痛みが出たりする反応のことで、引き寄せの法則的な言い方をすれば、自分の思考がポジティブになり、(自分にとって)いいものを引き寄せる体質に転換する反動で悪いことが起こる、というものです。
以前私は、「好転反応なんて気持ち次第だ」と考えていましたが、いろいろと思い返してみると「あれは好転反応だったのかも?」と思い当たるようなことがありました。
また、周りの人の話やネット上の体験談などを調べてみたところ、一概に気持ちの問題とは言い切れないこともあると考えるようになりました。
本日は、運が良くなる前触れとして起こりうる不幸なことについてお話ししたいと思います。
風邪をひく・体調を崩す
思い返すと、私は何かいいことが起こる前に体調を崩すことが何度かありました。
高熱が出て寝込んだり、原因不明の吐き気でトイレの住人になったり。
そういうときには、大きな仕事がポンッと決まったり、それまで悩んでいたことが思いもよらない展開で解決したり、またはまったく気にならないなったりしました。
こういう場合、私個人の経験ですが、体調を崩す理由が思い当たらないことが多いです。
何か変なものを食べた記憶もないのに吐き気が止まらず一晩中苦しんだのに、翌朝には何事もなかったようにケロッとしていたりします。
風邪から回復したときも、ぐっすり寝て体力満タンのときのような爽快な気分で起き上がることができます。
これは正直、みんながみんなそうであるとは限らないと思っていますが、私の体験としてご紹介させて頂きます。
骨折などの怪我をする
私の知人の話やネット上の体験談などを見ると、骨折などの比較的大きなけがのあとに大きな転機が訪れるという経験をした人が多くいます。
私の知人に、バイクで大事故に遭い生死の境を彷徨いましたが、そのときに献身的に看護してくれた女性とそのまま結婚した男性がいます。
その女性とはそれまで交際していたわけではなく、顔見知り程度だったそうです。
この知人は現在2人の子どもに恵まれ幸せな家庭を築いています。
このように、一見すると「ツイてないな」と感じるようなことでも、それが大きな幸せの前触れだったりするようです。
人生のピンチが訪れる
会社を解雇された・仲間に裏切られたというようなときは、もしかしたら大きなチャンスが到来するかもしれません。
これも私自身の経験ですが、以前一緒に働いていた仲間に裏切りとも言えるような仕打ちをされたことがあります。
その当時、売り上げの大半をその仲間との仕事に頼っていたので、裏切られたときは「まずい」と思いました。
しかし、その仕事はなくなったとはいえ私には他にもたくさんお客様がいましたので、その方々にご迷惑を掛けぬよう、まずは目の前の仕事をきっちりこなそうと思いなおしました。
すると数日後、思いもよらないところから新しい仕事が舞い込みました。
何年も前にご一緒に仕事をさせて頂いた方からご連絡を頂き、取引が復活、裏切られた仲間との仕事以上の大きな仕事が舞い込んだのでした。
もし、私が裏切られていなければ、たとえこの話を頂いたとしても引き受けることはできなかったでしょう。
このように、ときとして新しい展開のために一時的に何かを失うこともあるようです。
ですから、もし理不尽に解雇されたり信頼していた仲間に裏切られたとしても絶望しないでください。
それは、神様からの大きなプレゼントかもしれませんから。
なお余談ですが、私が裏切られた元仲間の人は、どうやらいろいろなところで横柄な態度を取ったり不義理を働いたらしく、同業者やお客様から総スカンを食らってしまったようです。
もしかしたら潜在意識が、「その男と一緒にいてはいけない」と遠ざけてくれたのかもしれませんね。
なぜ、運がよくなる前触れに不幸なことが起きるのか?
いいことの前触れとして不幸なことが起こることを、「好転反応」というというお話をしました。
それではなぜ、好転反応が起こるのでしょうか?
ここでは私たちの脳の働きという切り口から、この好転反応が起こる仕組みについてお伝えしたいと思います。
脳の働きによる好転反応が起こる3つの原因
まず、好転反応について知る上でおさえておきたいのは、以下の3つです。
- ホメオスタシス
- コンフォートゾーン
- スコトーマ
それでは、ひとつずつ見ていきたいと思います。
ホメオスタシス
ホメオスタシスとは、日本語で「恒常性」というような意味があり、脳科学や潜在意識をテーマとして扱った書籍などでは「恒常性維持機能」とか「現状維持機能」というような言葉で紹介されます。
人間の脳には、現在の状態を維持しようとする機能があります。これがつまりは、ホメオスタシスです。
生物にとって最優先事項は、「生存する」こと。
そして、少なくとも生存できている「現状」を維持することが、もっとも生存確率が高いと脳は判断するのです。
そのため、私たちは自分で意識しなくとも、脳が自動的に体温や血圧などを一定に保とうとするわけです。
ホメオスタシスは本来は生存確率を上げるため、すなわち自分自身を守るための重要な機能ですが、それがゆえに現状をなかなか変えられない(=願望が叶わない)ということになってしまうのです。
コンフォートゾーン
そして、ホメオスタシスによって作られる、自分が心地よくいられる、もっともパフォーマンスを発揮できる範囲のことをコンフォートゾーンと言います。
コンフォートゾーンには物理的なものだけでなく、精神的なものもあります。
慣れない土地で普段はしないような失敗をしてしまったとか、面識のない人と会っているときに普段はしないような振る舞いをしてしまったという経験があなたにもあるかもしれません。
このように慣れない場所・状況で失敗しやすくなるのは、自分のコンフォートゾーンから踏み出しているがためと考えられます。
スコトーマ
脳は、コンフォートゾーンの中にいること(=現状を維持すること)がもっとも生存確率を高めるということを知っているため、そこから出ないようにしようとします。
そのため、必要な情報を視覚や聴覚などの五感から拾い上げ、同時に、必要のない情報は認識しないようにします。
この認識しない部分のことを、スコトーマ(心理的盲点)と言います。
たとえば、現在の年収が300万円の人が「年収1000万円になろう」と考えたとき、どうすればそうなれるのかいまいちイメージできないということがあります。
これはその人に能力がないということではなく、「年収1000万円になるための情報」を「現状を維持するために必要な情報」ではないと脳が判断しているために、目に入っているにも関わらずそれらを認識しないようになっているのです。
変わろうとするあなたを脳が引き戻そうとする
簡単に言えば、ホメオスタシスがコンフォートゾーンを形成し、コンフォートゾーンを維持するためにスコトーマが生まれるという関係です。
そしてこの仕組みによって、変わろうとするあなたを脳が元の場所に引き戻そうとするわけです。
そのため、運がよくなっていく過程で不幸なことが起こる、つまり「好転反応」が起こるわけです。
大事なのは引きずらないこと
以上、運が良くなる前触れとして起こる不幸なことについてのお話でした。
忘れないでほしいのは、好転反応はあくまでも一過性のものであるということ。
あなたが「よくなろう」と考え続ければ、コンフォートゾーンはそちらの方へどんどんずれていきます。
そしてコンフォートゾーンが変われば、今度はホメオスタシスが強い味方になってくれます。
つまり、脳の現状維持機能によって現在のいい状態を維持しようとするわけです。
そうなればスコトーマにも変化が起こり、これまで見えなかったものが見えてきます。
嫌なことがあったら、落ち込むのは無理のないことです。
そのため、好転反応を気にしてしまうの仕方のないことかもしれません。
でもいつまでもクヨクヨしていると、どんどんよくないものを引き寄せてしまいますし、せっかく変化しだしたコンフォートゾーンが元に戻ってしまうおそれもあります。
そうなってしまっては非常にもったいないですよね。
ですので、好転反応は一過性のもの。何より、自分が変わりはじめている証拠であるということを忘れずにいて頂きたいと思います。
「きっと幸せの前触れだ!」くらいに考えてワクワクできたら、やがて予想もしないようなすごいことが起きるかもしれませんよ。